1.はじめに HairBladeはLightWave3Dに特殊なポリゴンタイプを追加する機能とそのポリゴンタイプを編集するツール群からなるプラグインで、その名の通り短冊状のポリゴンを重ねて作る髪の毛や、従来の曲線による押し出しを使用したモデリングを補助します。 また、バージョン1.20からはSasquatch用のラインポリゴンも生成できるようになりました。 HairBladeの基本的な見た目はモデラー標準の曲線で押し出しを実行した状態に似ています。 しかし、曲線で押し出しはツールを終了すると固定されたポリゴンメッシュが作成されるのに対し、HairBladeはモデラー上では曲線として存在しているだけで、ポリゴンメッシュは表示されているものの実体を持ちません。 HairBladeのポリゴンメッシュは曲線(コントロールカーブ)からリアルタイムに自動生成して表示しているので、曲線の頂点を移動させるだけでそれに沿ってポリゴンメッシュが追従して変形するうえ、パイプ状に作成したHairBladeをスケールツールやベンドツールで大きく変形させてもパイプの太さは一定に保たれます。 HairBladeのポリゴンメッシュは実体を持たないため、そのままではそのポリゴンの頂点を細かく変形させたり、サブパッチ化したり、他のオブジェクトと結合するといったことはできません。 その場合はHairBladeのポリゴンメッシュの実体をコピーする機能があるので、それで作成した通常のポリゴンメッシュを使用することで細かな編集もできるようになります。 |
2.対応LightWave3Dパージョン LightWave3D 8.5で動作確認していますが8.0〜8.3でも動作すると思います。 それ以前のバージョンでは動作しません。 |
3.プラグイン構成 HairBladeプラグインは以下の6つのプラグインで構成されます。
モデラー/レイアウト両方で使用され、HairBladeカスタムポリゴンの内部処理や描画を行います。 このプラグインはインターフェイスを持たず、プラグインを追加した瞬間からLightWaveのシステムに常駐します。 注意:現在のLightWaveではPolygonHandlerの処理に不具合があるらしく、使用に当たってはいくつかの注意点があります。 詳しくは6.トラブルシューティングを参照してください。 選択したカーブをHairBladeに変換することができます。 このプラグインを使用するのが現在HairBladeを生成する唯一の方法になります。 カーブは開いた曲線のみ扱うことができ、閉じた曲線での動作は保障しません。 また、HairBladeのコントロールカーブに対して実行した場合は、シェイプやUV設定を一括で変更することができます。 CurveToBaldeをデフォルトパラメータで作成したHairBladeはシンプルなV字型の断面形状(シェイプ)を持ちます。 もっと複雑な、あるいは複数に分かれたシェイプを使用したい場合はモデラー上で作成したポリゴン、カーブをカスタムシェイプとして登録しておき、CurveToBladeやBladeEditで指定してその形状を使用することができます。 そのカスタムシェイプの管理を行うのがHairBlade Managerです。 シェイプパラメータやスケール、バンク角といったHairBladeのほぼすべての内部パラメータを操作できます。 カーブの形状そのものはモデラーの標準ツールで頂点を移動させることでも編集できますが、内部パラメータは現在このプラグインでのみ編集可能です。 ただし、すべての内部パラメータは頂点のVMAP、ポリゴンタグに保持しているので、LScriptやプラグインを自作することで独自の編集ツールを作成することも可能です。 選択したHairBladeのその時点でのポリゴンメッシュのコピーを同一レイヤー上に通常のポリゴンメッシュとして作成します。 ポリゴンメッシュの頂点単位で編集したい場合や、他のポリゴンと結合したい場合はBladeFreezeで作成したメッシュを使用します。 また、BladeFreezeを使用しても元のHairBladeは残るので、別レイヤーに移動してバックアップとして置いておくこともできます。 モデラーのビューポート上でのHairBladeコントロールカーブの描画レベルを変更します。 実際の作業手順としては
HairBladeで使用する断面形状を登録しておきます。 プロシージャルを使用する場合はこのステップは無視してもかまいません。 その場合でも後からシェイプの追加、変更は自由に行えます。 モデラーツールのドローカーブ等で開いた曲線を作成します。 1.でカスタムシェイプを作成していればここで選択することができます。 モデラーツールのスケールやドラッグ、BladeEdit等でHairBladeの形状を編集します。。 大まかな形状が完成したらBladeFreezeでポリゴン化、細かな編集を行います。 ステップ1〜3のFlashムービー ステップ4のFlashムービー |
4.インストール hairblade.pを適当なフォルダにコピーし、モデラーまたはレイアウトのプラグイン追加コマンドで追加します。 また、描画レベルやカスタムシェイプ情報を保存する設定ファイル、HairBlade.cfgがプラグインのフォルダに自動的に作成されます。 |
5.各プラグインの説明 a.HairBlade PolygonHandler b.CurveToBlade c.HairBlade Manager d.BladeEdit e.BladeFreeze f.HairBlade DisplayLevel |
6.トラブルシューティング
現在、一部の環境でHairBladeを含むカスタムポリゴンを使用したプラグインが追加された状態でモデラーの「プラグイン追加」または「プラグイン編集」コマンドを使用するとモデラーの動作が不安定になり、高い確率でクラッシュする現象が発生します。 回避する方法としては、レイアウトのプラグイン追加を使用するか、レイアウトの「プラグイン編集」コマンドでhairblade.pを削除して一旦レイアウトを終了させ、後は普段どおりモデラーでプラグインを追加して最後にまたhairblade.pを追加する方法があります。 ※バージョン1.20では問題の暫定的な対処を行ったためクラッシュはほぼ発生しなくなったはずですが、100%とは言えないので注意してください。 HairBladeプラグインが使用しているPolygonHandlerプラグインは、LightWaveが起動すると同時にロードされて動作を開始します。 通常のモデラープラグインの多くは、ツールバーのボタンを押した段階で動作を開始するため、仮にそのプラグインに致命的なクラッシュを引き起こすバグがあった場合でも、問題のあるプラグインを起動しなければモデラーは普段通り使うことができ、プラグイン編集コマンドで問題のあるプラグインを削除することも可能です。 しかしHairBladeの場合は、前述のようにLightWaveの起動と同時に開始し、さらにHairBladeの設定ファイルを読み込みます。 つまり、その設定ファイルが何らかの原因で破損していた場合、あるいはLightWaveのバージョンアップによってLWSDKのカスタムポリゴンクラスに互換性がなくなった場合などは、最悪モデラーの起動と同時にクラッシュしてしまいモデラーを使用することができなくなってしまいます。 もしそのような状態になった場合は以下の方法を試してください。 設定ファイルの破損による問題が原因であればこれで起動するはずです。 設定ファイルを削除しても駄目な場合は、一度プラグイン自体を削除してみます。 これでも起動しなかった場合はHairBladeがクラッシュの原因ではないと考えられます。 |
7.最後に このプラグインはフリーウェアです。 このプラグインを実行したことによる、直接、間接的な損害に関しての、 一切の責任は負いかねますのでご了承下さい。 製作者 DHM : dhm@d-creation.sakura.ne.jp D-Creation : http://d-creation.sblo.jp/ |
8.おまけ HairBladeデータフォーマット |